一般社団法人日本サウンドスケープ協会
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心に残る音風景ギャラリー

募集要領 | 座談会 | 結果発表 | シンポジウム「心に残る音風景」 | 入賞候補作品



ご応募いただいた写真・動画から、予備審査を経て入賞候補となったものについて、ご紹介します。

【写真の部】

写真の部では、18件の応募があり、9件が入賞候補(本審査の対象)となった。



*写真をクリックすると、ポップアップが表示されます。

「海に向いて、思想を空っぽに、繰り返しの波の音」   「吐竜の滝の音」   新橋 パチンコ屋だったところ。
001「海に向いて、思想を空っぽに、繰り返しの波の音」(撮影地:静岡県下田市)
MAYUBO(一般/大学生)

この写真は五秒の漏出を通して、規則的に繰り返される波を表現しました。
  002「吐竜の滝の音」(撮影地:山梨県北杜市)
有馬義雄(協会会員/会社員)

ここは「吐竜の滝」(山梨県北杜市)。優美な姿と言われるこの滝も、間近に立つと、轟音が圧倒的な迫力で迫りくる。心が躍る、踊る。 ところが、次第に自分自身がこの場に溶け込んでゆき、心が清らかに、穏やかになってゆく。目を閉じると、相変わらず轟音鳴り響くにもかかわらず、妙に落ち着くのである。実に不思議な空間。自分にとって心に残る音風景とは、この「吐竜の滝の音」に他ならないだろう。
  003「新橋 パチンコ屋だったところ。」(撮影地:東京都新橋)
黒崎孝一(一般/自営業)

東京都内には更地が増えつつある。そこはビルや民家が密集し連続した景観を作り街の顔となっていた。ところが経済的に立ちいかない建物は消え、生き延びたヒョロ長いビルや周辺のビルの壁が剥き出しとなっていびつな形で残り、街の色や音を一気に変えてしまう。多くは駐車場となるが、この更地は新橋の駅前で以前はパチンコ屋が軒を連ね、安っぽいネオンと騒々しい音が響かせていた。2年前にパチンコ屋は閉店となり、この景観となった。妙な静けさがドキドキさせてくれた。


松戸 さくら通りの切り株   夜の藁   放課後
004「松戸 さくら通りの切り株」(撮影地:千葉県松戸市)
黒崎孝一(一般/自営業)

街路樹は花や葉をつけ人を和ませる素敵な生命だ。だが周知の通り多くの街路樹は巨大化し太い根は歩道や縁石を破壊し、秋には多くの枯葉が地面を覆い尽くし途端に厄介者となる。かってこの街は桜を街路樹として選び「さくら通り」と名づけた。しかし近隣の住民の抗議や道路の補修費用が計上され伐採することになった。太い根を取り除くにも費用がかかるのか大きな切り株だけが残っている。切り株のフォルムが好きな私は、いつか切り株の音を聞いてみたいと思い数々の切り株を記録している。
  005「夜の藁」(撮影地:自宅近くの平野)
SUGAI KEN(一般/自営業)

虫の音と相まってとても印象的な風景でした。詳しくは知りませんが、藁ぼっちという風習なのかもしれません。
  006「放課後」(撮影地:千葉県君津市)
正司琴菜(一般/大学生)

帰りのHRが終わってからしばらく教室に残って、黒板に落書きをしながら笑っているクラスメイトの写真です。この写真を見ると、当時放課後の教室で聞いていた色々な音が蘇ってきます。


「あの時間をもう一度」   「祭だエンヤー!」   始発の走行音が響く弘前駅
007「あの時間をもう一度」(撮影地:山梨県笛吹市)
古屋理愛(一般/会社員)

誰でも立ち寄れる無料休憩所の藤原邸。当番制で芦川に住むおばあちゃんがいて、当時大学生だった私は毎週通い、地域住民3~5人でお茶を飲みながら本当に色々な話をした。話題が絶えず常に笑い声が響き渡っていたが、最近は高齢化等の影響でほとんど集まらなくなった。芦川の音といえばここでの話し声が心に残り、心温まった時間を思い出すが、今は少し寂しい気持ちにもなる。
  008「祭だエンヤー!」(撮影地:佐賀県唐津市)
中間和之(協会会員/自営業)

佐賀県唐津市で開催される唐津くんち。北部九州では、秋祭りとして各地でくんちが行われます。有名な長崎くんちもそのひとつ。唐津くんちは、唐津神社の秋季例大祭として、11月2日夜の宵曳山から最終日4日まで,三日間開催されます。江戸時代から続く曳山14台が町を練り歩き、通りは熱気に包まれます。最終日、曳山は通りの辻々で立ち止まり、お囃子とエンヤーの掛け声と共に別れを惜しみます。
  009「始発の走行音が響く弘前駅」(撮影地:青森県弘前市)
小林田鶴子(協会会員/教員)

学会で弘前に宿泊した翌朝、日の出前の薄明かりの中、町の静寂に響きわたるかのようにコトコトと走行音が聴こえた。眼下を見ると2両編成の始発列車がゆっくりと近づいて来た。夜明け前の風景と、大都会とはまた違った「けなげ」ともいえる電車の姿とその音が心に残っている。




【動画の部】

動画の部では、40件の応募があり、13件が入賞候補(本審査の対象)となった。



*写真をクリックすると、ポップアップが表示されます。

A group of whales swim around me   「東京」   「高校生の放課後の心に残る音」
010「A group of whales swim around me」 (撮影地:トンガ王国タプ島沖)
佐藤宏(協会会員/自営業)

トンガでの、水中ホエールウオッチングで撮影。クジラの声は、人間の耳ではとても小さな音量に聴こえ、シュノーケリングでも、静かに呼吸をしないとクジラの声は聞き取れない。このビデオは、水中マイクではなく、水中ハウジングに収納されたデジタルカメラの内蔵マイクで、クジラの声が収録できた貴重なケース。実際、耳で聴いたクジラの声の印象も、このビデオに収録されているように、他のノイズにかき消されそうなほど、小さな音量だった。
  011「東京」(撮影地:東京都 御茶ノ水駅/池袋駅西口/江古田/高輪)
西村鉄郎(一般/大学生)

混沌に埋もれる荘厳な伝統の鐘の音。 人気のない場所で大勢の気配を感じる、東京独特の重低音。 今ではただの懐メロになった5時の帰宅チャイム。 「東京」を通じて感じる、主観的な寂しさや空虚感、焦燥感を表現した作品。
  012「高校生の放課後の心に残る音」(撮影地:埼玉県朝霞市/和光市)
佐原恭世(一般/大学生)

高校の放課後の、友達との会話、部活の音は今でもよく記憶に残っている。この動画では、「高校生の放課後」の様々な音をテーマとして作成した。 動画内では、高校生の時に関わりの深かった人にインタビューを行い、その回答に基づき母校で録音を行った。主な内容は、インタビューを行った3人の声、字を書く音、部活動(演劇部)の発声の声、下駄箱から靴を取り出す音、会話している声となっている。


「青春BOX」   今泊集落の音   「冬の雨風の音」
013「青春BOX」 (撮影地:川崎市中原区)
吉田珠羽(一般/大学生)

私にとっての心に残る音風景は、高校生活で毎日のように聞いていた部活動の音である。私自身はバドミントン部で体育館で活動していたが、校舎や校庭が近かったこともあり、よく他の部活動の音が聞こえていた。バドミントン部のラケットに当たる音、吹奏楽部の楽器の音、野球部のかけ声など。それぞれの音が合わさって、あの汗水たらして頑張った高校時代を思い出すことができる。 その記憶をいつでも呼び戻せるよう、母校に協力いただき作品を作成しました。
  014「今泊集落の音」(撮影地:沖縄県国頭郡今帰仁村)
平松早苗(一般/会社員)

今泊集落はフクギの屋敷林に囲まれた沖縄の伝統的な集落です。この時は真夏の日中のためか人に会うことはありませんでしたが、虫や烏の鳴き声に混ざって、三線を練習する音が聞こえてきました。現場でははっきりと聞こえていたのですが、動画で再生してみると小さな音で最初の10秒~30秒あたりに入っています。 音による人のくらし・文化が感じられる風景だと思います。
  015「冬の雨風の音」(撮影地:横浜市都筑区)
田村夏夕(一般/大学生)

雨の音を聞くと落ち着いて好きなので、土や水、道路に落ちるいろいろな雨の音を取りました。また、風の音も自分の一番好きな季節である冬を感じさせ好きなので、撮ってみました。 特に、室内が静かだと外の音がよく聞こえるので、静かな塾の自習室に響き渡る雨や風の音が印象的で、受験生の冬を思い出します。雨の音は、なんでもない休日に雨が降ってきたので、家の近所で撮りました。風の音は、学校からの帰り道に撮りました。


「駅の音 東京北区 田端駅」   「関東の奇祭の音」   「湧き水の洗い場」
016「駅の音 東京北区 田端駅」(撮影地:東京都北区)
黒崎孝一(一般/自営業)

駅の映像と音を記録する事はよくある事だとおもいます。ぼくは以前、仕事に息詰まった時、山手線に乗って車窓を眺めたり、電車の音で軽く眠ったりしていました。偶然、田端駅近くに住むようになって10年、気分転換に駅を見に行ったり、音を聞くことが日常になっていました。そこで今回、始発前 終電の後 田端駅の周辺の音や見える風景はなんだろうかと実験的に記録してみました。フィールドレコーディングはやったことがなく、何度も失敗を重ねていくうちに素材は山のように溜まり、いろいろ編集してみましたが規定時間の3分を大幅に超えてしまいました。申し訳ありませんが視聴して頂けると幸いです。
  017「関東の奇祭の音」(撮影地:茨城県古河市)
鈴木千晴(一般/大学生)

私の地元では毎年冬に関東の奇祭と呼ばれる「提灯竿もみまつり」が開催される。コロナの影響で中止が続いていたが、今年は四年ぶりに完全開催を果たした。竹に括り付けた提灯をぶつけ合う音、まくし立てる実況、観客たちの歓声は、まさに奇祭と呼ぶにふさわしい迫力だ。提灯竿もみまつりの歴史や参加者たちの意気込み、そして何よりこの祭り特有の音に耳を澄ませ、感染症を理由に遠ざかっていた、祭りの活気ある風景を伝えたい。
  018「湧き水の洗い場」(撮影地:長崎県島原市)
小林 文彰(一般/会社員)

長崎県島原市に多くある湧き水のひとつ、浜の川湧水です。寛政4年ごろ地殻変動により湧き出たといわれています。 今でも水汲みなどの生活の場でありつつ、甘味の名店「銀水」が隣接する観光地として賑わっており、地元と観光客の交流拠点も担っています。 普段地元島原でフィールドレコーディングを行っています。今回は島原の宝である湧き水の音に、もっと耳を傾けて欲しいと願い、機材を含めて音風景として撮影してみました。


「みぞれ」   「浅草音のにぎわい」   「下田公園 まぎつつみ 白鳥飛来地(青森県)」
019「みぞれ」(撮影地:自宅の庭)
山川智輝(一般/フリーランス)

冬の日。 みぞれが植物に落下する音風景です。
  020「浅草音のにぎわい」(撮影地:東京都台東区浅草)
森下 晴代(一般/大学生)

浅草の様々な季節の表情を撮影・録音しました。浅草は、空襲で亡くなった祖父が住んでいた街です。私も小さい頃から両親に連れられて何度も訪れた思い出があり、今でも浅草に行くと祖父とのつながりを感じます。祖父も同じ音を聞いていたのかと思います。時を超えてつながる浅草の風景と伝統‥。私にとって大切な場所を音と写真で伝えられたらと思いました。
  021「下田公園 まぎつつみ 白鳥飛来地(青森県)」(撮影地:青森県上北郡おいらせ町)
松浦大樹(一般/自営業)

子供の頃、親に連れて行ってもらった場所に、今度は自分も息子を連れて訪ねてみました。


「朝のリズム」        
022「朝のリズム」(トマト農家のハウスの中)
仁平 祥介(一般/農家)

朝、トマトハウスの中の音です。ビニールカーテンから夜露が滴り落ち、あちらこちらからリズムが聴こえてきます。太陽の光はトタンの雨どいを温めポコンと音を立てます。ゆっくりと一日が始まる音です。
       

 


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