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第4回日本サウンドスケープ賞タイトル


第4回日本サウンドスケープ協会賞
授賞式および記念行事のお知らせ

日本サウンドスケープ協会は、サウンドスケープに関わる優れた活動・業績を有する個人または団体を顕彰しています。
第4回協会賞の授賞式および記念行事を12月1日に行います。

○日本サウンドスケープ協会賞
 社会的波及効果の大きな実績に対する顕彰

・受賞者:株式会社老子製作所


・授賞対象業績:日本の音風景を支える鐘の製作技術の継承
・授賞理由
日本の音風景を特徴づけているものの一つに寺院の鐘の音がある。鐘は中国由来であるが、朝鮮を経て日本に伝わり、日本の音風景の重要な要素となってきた。老子製作所は、銅器のまち・富山県高岡市において、数々の名鐘を全国に送り出してきた。同社は、その技術の確かさから国内7割の鐘を製作し、現在ではカリヨン等の音具も手掛けている。日本の音風景を支える同社の歴史とその活動は、協会賞にふさわしいものである。
・受賞者プロフィール
株式会社老子製作所
鋳物製造を手がける老子製作所は、美術鋳物に強みを持ち、寺院の梵鐘で国内シェアの約70%近くを占めるほか、仏像仏具・銅像、モニュメント、教会鐘等を製作している。梵鐘では全国の寺院に2万鐘を超える納入実績がある。また、広島市の「平和の鐘」や釜石市「復興の鐘」・大船渡市「鎮魂の鐘」なども手がけている。
・受賞者コメント
このたびはこのような賞にご選出いただき光栄に思います。弊社の創業は江戸後期の天保年間ですが、釣り鐘製作を事業の中心に据えたのは戦後のことです。戦時中の供出によって寺院から鐘がなくなったことを寂しく思った曾祖父が、全国の寺院をまわって釣鐘の注文を受けたことから、現在のシェアに至っています。寺院の鐘は仏具であるとともに、時を知らせる鐘でもあって、人々の暮らしとともにあるものでした。その鐘の音がないと寂しいという気持ちを商売につないでくれた曾祖父に感謝をしています。釣り鐘は美術鋳物のジャンルに入るもので、造形美にもこだわって製作していますが、姿かたちよりもまず音が大事であると、先輩たちから言われてきました。今回のお話をいただいて、そのことが間違っていなかったなと感じました。今後も音を大事にして製作を続けていきたいと思っております。
(老子製作所15代目社長老子祥平氏)

   
仕上場
エントランス   鋳物場    




○日本サウンドスケープ協会賞
 社会的波及効果の大きな実績に対する顕彰

・受賞者:武者 圭(武者ラボ代表)


・授賞対象業績:サイン音を通したユニバーサルデザインの推進
・授賞理由
現代のデジタル化社会の中で氾濫している音のサインは、一部に騒音規制的な制約はあるものの、明確なデザイン・コンセプトに基づいているかどうか疑わしいるものも少なくない。そのなかで、武者氏は、視覚障害者であるという立場から、障害者も健常者もともに快適に生活できる共生社会を作り出すことを基本として様々な施設や地域のサイン音をデザインしている。氏の行っている音環境デザイン活動は、ユニバーサルデザインの観点から貴重な事例であり、協会賞に値するものと認められる。
・受賞者プロフィール
1995年、国立音楽大学大学院修了。
2003年、メルパルク熊本の館内音サイン設計。
2007年、「江東区やさしいまちの誘導システム」音サイン設計。
2008年から、京王電鉄で視覚障害者用音サイン設置アドバイザー。
2011年から2013年まで、JIS「高齢者・障害者配慮設計指針-公共空間に設置する移動支援用音案内(JIS T0902)原案作成委員会委員。
2018年から、成田空港ユニバーサルデザイン推進委員会 分科会委員。
2020年10月、『ユニバーサルデザインの基礎と実践 ―ひとの感覚から空間デザインを考える』(共著)ほか、音サインや音環境の設計、執筆・講演を行っている。
・受賞者コメント
この度は協会賞をいただき、とても名誉に思うとともに感謝の念に堪えません。約20年間の地味な活動がむくわれたと、感激も一入です。
以前の視覚障害者を誘導する音サインはチャイムや誘導鈴(ピーンポン)がほとんどで、それ以外でも電子音による既存のメロディーが使われることがある程度でした。音の大きさや方向についての規定や概念もなく、騒音問題になる例も散見されました。
必要な人に確実に意味内容も届き、視覚障害者だけでなく多くの人が利用できる音サインで、音環境全体の一部ともなるようにデザインを進めてきたつもりです。
「音案内JIS」や「移動円滑化ガイドライン」によって街中や建物に設置する音サインの規定は制定されましたが、規定自体があまり周知実行されておらず、個人としてはまだ不十分な点があると感じます。
今後もさらに研鑽を続け、聴覚過敏や難聴の方にもやさしい音環境の普及に努力したいと思います。


○日本サウンドスケープ協会 奨励賞
 近年の研究や実践活動に対する顕彰

・受賞者:沖田 純之介(サウンドデザイナー)


・授賞対象業績:佐倉図書館等新町活性化複合施設「夢咲くら館」  サウンドデザインプロジェクト
・授賞理由
沖田氏は、佐倉市内で収録した自然音を素材とした優れた音のデザインとマスキング手法を併用することにより、周辺環境との連続性を保って夢咲くら館に地域独特の音空間を創出し、図書館の静穏性と併設されている子育てセンターの開放性との両立が必要な同館の音環境を巧みに実現した。このプロジェクトはまた、音楽制作の第一線で活動してきた沖田氏が、東日本大震災を機に同地に移住し、一市民として活動するなかで実現したという意味でも貴重な事例である。同氏の労を多とし、奨励賞を授与する。
・受賞者プロフィール:1995年映像音楽業界入り。映画や広告、施設や電気自動車、アーティストに音を提供している。
「音で助ける」をテーマに活動し、福祉分野を研究中。
・受賞者コメント
このたびは奨励賞を頂きましてありがとうございます。
この活動は、複合施設を利用するお子様やお母様方、図書館を利用する方の間を頭上からのサウンドマスキングを使って、音の注意を分散させようとした試みです。静寂な施設での「音ハラスメント」も問題になっておりますが、「賑わい」にも違和感を感じる方も多いと思われます。そこを音で解決できないかと数年考え、「地域の音を使ったサウンドマスキング」に辿り着きました。
佐倉市は自然豊かではありますが、森の整備があまりされてない為に野鳥は少なく、高齢化も進んでいるので街も静かです。その環境下の建物で一般的なマスキングサウンドである森の音を流しても違和感を感じますし、BGMには好き嫌いが発生してしまいます。そこで1年かけて市職員である榊田様と図書館員様とで録音した地域の音を使い「平均的な佐倉市の環境音」を作り出し、マスキング音とさせて頂きました。地域外の方には「音」として感じるかもしれませんが、佐倉市の方には「窓が開いて外の音が聞こえている」と感じている方も多いようで、サウンドマスキングとしては、役に立っているかなと考えております。施設を利用する方の為と思い活動いたしましたが、毎週図書館を利用している自分の為でもあります。この賞をきっかけにもっと深く研究をすすめ、音で助けられる分野を開拓していこうと考えております。



第4回日本サウンドスケープ協会賞
授賞式および記念行事

会場:夢咲くら館(佐倉図書館等新町活性化施設)、佐倉市立美術館4Fホール
  アクセス:京成佐倉駅から 徒歩10分
        またはバス停2番・3番乗り場からJR佐倉駅方面行き「佐倉市立美術館」バス停下車 徒歩1分
        JR佐倉駅から 京成佐倉駅行きバス「二番町」バス停下車 徒歩3分
        マップはこちら

日時:2024年12月1日(日) 10:30 ~ 17:30

参加費:いずれも無料、事前申し込み不要 ※途中入退場自由

プログラム
10:30~11:30 ワークショップ『佐倉の音風景さがし』
(夢咲くら館1 階 ゆめさくらひろば)

13:30~14:45 日本サウンドスケープ協会賞授賞式と受賞者スピーチ
武者圭「サイン音を通したユニバーサルデザイン」ほか
(佐倉市立美術館 4 階ホール)

15:00~17:30 記念シンポジウム『夢咲くら館からの挑戦と未来』
【講演Ⅰ】 活きづく図書館 … 柳瀬寛夫(建築家)
【講演Ⅱ】 夢咲くら館の音環境 … 沖田純之介(サウンドデザイナー)
【パネルディスカッション】 沖田・柳瀬・石渡敦子(佐倉城下町商店会会長)ほか
モデレーター:鳥越けい子
(佐倉市立美術館 4 階ホール)

*プレイベント 絵本の音(10:00~10:20 夢咲くら館1 階 あそびのひろば)
協会員によるおすすめ絵本の紹介やよみきかせなど
*夢咲くら館 音環境ツアー(11:30~12:00 開始時間までに夢咲くら館1 階に集合)
館のサウンドデザインを担当した沖田によるガイドツアー

主催:一般社団法人日本サウンドスケープ協会
後援:佐倉市教育委員会

フライヤー(クリックすると拡大します)
ちらし


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