第1回日本サウンドスケープ協会賞
各賞授賞式及び記念シンポジウムのお知らせ

日本サウンドスケープ協会は、サウンドスケープに関わる優れた活動・業績を有する個人または団体を顕彰します。第1回目となる2021年度の協会賞は、顕彰規定に基づき、顕彰委員会において慎重な選考を重ねた結果、下記の業績を表彰にふさわしいものと認めました。授賞式と記念シンポジウムを来たる9月4日、オンライン上にて行います。よって、ここに広くお知らせいたします。なお、本件の協会誌への掲載は22巻を予定しております。





○日本サウンドスケープ協会賞:社会的波及効果の大きな実績に対する顕彰


・受賞者:練馬区
・授賞対象業績(練馬区):「ねりまを聴く、し・ず・け・さ10選」
・授賞理由(練馬区):環境行政で音の問題というと騒音の規制や防止であった1990年当時、本事業は「しずけさ」の豊かで多様な実態の把握に取り組み、サウンドスケープの理念に基づく環境行政の新たな視点と方法とを示した。これが、環境庁(当時)による「残したい日本の音風景事業」および同種の事業の日本各地での展開につながった。本事業の意義とその内容は、人々の記憶にながく留められるべきである。
・練馬区(環境保全課)プロフィール:'89から'90にかけて「美しい星の、美しい暮らし」をテーマに「水辺の発見」「人・音・暮らし」「空・風・気」と題する環境教育事業を展開した。環境の受け手としてとしてだけでなく、環境の作り手としての市民、その環境認識に光を当てた。メディアでも報じられ、他の自治体・国・関係学会の注目を受け、影響を与えた。


・受賞者:大野 嘉章(元・練馬区環境保全課職員)
・授賞対象業績:「ねりまを聴く、し・ず・け・さ10選」事業推進・研究等の一連の活動
・授賞理由:環境行政で音の問題というと騒音の規制や防止であった1990年当時、本事業は「しずけさ」の豊かで多様な実態の把握に取り組んだ。大野氏はその担当者として、本事業の全行程に深く関わると共に、同事業を事例とした研究・執筆活動によってサウンドスケープの理念に基づく環境行政の新たな視点と方法とを示した。これが、環境庁(当時)による「残したい日本の音風景事業」および同種の事業の日本各地での展開につながった。本事業における大野氏の功績は、人々の記憶にながく留められるべきである。
・受賞者プロフィール:公害行政から環境行政への転換期に、自治体職員として従事した。代表的な仕事は「ねりまを聴く・しずけさ10選」「練馬区鐘の音調査」。物理的騒音測定から意味的環境認識への展開を、騒音制御工学会や環境教育学会で発信した。辻仁成著「アンチノイズ」主人公に模される?世の音を叩いてきた余生を、楽器の街浜松市に移住して過ごす。



「ねりまを聴く、し・ず・け・さ10選」資料



○日本サウンドスケープ協会功労賞:関連する活動に対する長年の取り組みに対する顕彰


・受賞者:川崎 義博(Sound Design Lab. NADI 代表)
・授賞対象業績:本協会創立時の関西本部事務局担当ならびに協会運営に対する貢献
・授賞理由:NADI代表 川崎義博は、日本にまだサウンドスケープ概念が定着していなかった協会揺籃期に関西本部の事務局を担当し、手探りで複雑な業務をこなしつつ協会活動の推進を支え、協会の礎を築いた。現在も協会が存続し、活動を続けている源をたどるとき、必ず想起されるべきその功績には多大なものがある。
・受賞者プロフィール:日本のフィールドレコーダーの草分け的存在。1990年放送局St.GIGAの開局と同時に世界各地をフィールドレコーディング。番組制作多数。’97年世界初めてリアルタイムで世界の音が聞こえるサイト「SoundExplorer」を制作。以降インスタレーション作品やWEB作品を制作。日本サウンドスケープ協会設立時,事務局長。以降理事、代議員など歴任。


・受賞者:山口 泰(株式会社LAO代表取締役)
・授賞対象業績:本協会創立時の関東本部事務局担当ならびに協会運営に対する貢献
・授賞理由:LAO代表 山口泰は、日本にまだサウンドスケープ概念が定着していなかった協会揺籃期に関東本部の事務局を担当し、手探りで複雑な業務をこなしつつ協会活動の推進を支え、協会の礎を築いた。現在も協会が存続し、活動を続けている源をたどるとき、必ず想起されるべきその功績には多大なものがある。
・受賞者プロフィール:1946年東京都杉並区生まれ。株式会社LAOを設立し、1990年代のサウンドスケープ概念の社会実現の為に事業化していく実施推進役の一翼を担ってきた。博覧会・公園・施設内等の公共空間の計画製作だけではなく普及啓発を事業として展開した。2000年代、駅において視覚障碍者が電車への乗降を安全に誘導するサイン音の標準化にむけてデザインガイドラインを推進した。


○日本サウンドスケープ協会奨励賞:近年の研究や実践の活動に対する顕彰


・受賞者:石橋 幹己(国立劇場制作部)
・授賞対象業績:2020年度春季研究発表会・一般報告「戦前の東京におけるサウンドスケープ・デザイン ―都市美協会の騒音問題に対する取り組み―」
・授賞理由:授賞対象業績は、1920~30年代の日本の騒音問題への都市美運動の取り組みを、当時出版された書籍や記事などの史料を丁寧に掘り起こした上で、サウンドスケープ・デザインの概念に位置づけながら考察した研究である。その内容は、サウンドスケープの歴史研究の発展に貢献するものであり、今後の展開が大いに期待される。また受賞者は、言わばライフワーク的にサウンドスケープ研究に取り組んでおられ、そうした研究者としてのスタンス自体も含め高く評価される。
・受賞者プロフィール:1988年千葉県生まれ。東京大学人文社会学系研究科文化資源学修了。2010年日本芸術文化振興会に入職し、2013年から国立劇場で日本の伝統音楽に関する公演制作に携わり、現在に至る。主に担当した公演は、2015年「文豪の聴いた音曲」、2017年「日本音楽の流れ―箏」、2019年「浮世絵の音風景」、2021年「詩歌をうたい、奏でる」ほか。



第1回日本サウンドスケープ協会賞
授賞式及び記念シンポジウム

日時:2021年9月4日(土)14:00- (最長17時終了予定)
会場:オンライン上(zoomを利用)
次第:授賞式および記念シンポジウム
1. 開会の辞:本賞について
2. 受賞者紹介
3. 協会賞授与
4. 受賞者スピーチ
5. シンポジウム
定員:80名
要申込https://forms.gle/EVtwTpmq8sw9of476
お申し込み方法:上記URLまたは下記ボタンをクリックしてお申し込みフォームへお進みください。




*お申し込みフォームには「Googleフォーム」を利用しています。お申し込みが正常に完了した場合は、Googleフォームより自動返信メールが届きます。届かない場合は、正常にお申し込みが完了していない可能性がありますので、お申し込み後の自動返信メールの受信の有無にご注意ください。ご不明の点がございましたら、事務局までお問い合わせください。
*会場URLのご案内予定日:開催日が近づきましたらZOOM会議室のURLとパスワードをお送りします。





日本サウンドスケープ協会シンポジウム: 1993年の協会設立以来、テーマを設定して公開の場で広く議論するシンポジウムを年1回開催してきました。近年も「音風景は文化遺産になりうるか」「今、京都から再び」「いわてのサウンドスケープ」「東京水系のサウンドスケープ:都市と社会のリ・デザイン」「劇空間の音風景 声による演出から見る古今東西の世界観」など多様なテーマ設定でサウンドスケープをめぐる議論がなされています。近年のシンポジウム情報は「活動の一覧|シンポジウム」に掲載しています。

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