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一般社団法人日本サウンドスケープ協会
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第3回協会賞記念行事イメージ

第3回日本サウンドスケープ協会賞
授賞式および記念行事のお知らせ

日本サウンドスケープ協会は、サウンドスケープに関わる優れた活動・業績を有する個人または団体を顕彰しています。
第3回協会賞の授賞式および記念行事を9月30日14時より対面とオンラインにて行います。
今回は協会賞を授賞された「サイバーフォレスト」にちなんだシンポジウムを記念行事として開催します。
みなさまのご参加をお待ちしております。
(参加方法はこのページの下の方に記載してあります。)


○日本サウンドスケープ協会賞
 社会的波及効果の大きな実績に対する顕彰

・受賞者:東京大学サイバーフォレスト
・授賞対象業績:サイバー空間における自然環境音に関する長年の活動
・授賞理由:サイバーフォレストは、サイバー空間に自然環境音が常時存在するプラットフォームづくりであり、それを聴き活用する人間のふるまいに関する研究活動である。それは、先端技術による通信インフラ整備により特定の土地で生じるライブ音をベースとしたランドスケープ体験の機会を継続的に提供することによって、自然音を聴く感性を社会に新たな形で開こうとする活動である。大学や学術の枠組を超えたその活動は、現代社会におけるサウンドスケープ・デザインの観点から高く評価することができる。
・受賞者プロフィール:1995年10月の東京大学秩父演習林での開始以来、現在まで28年間にわたり継続して活動している。2010年には同地に衛星インターネット回線を導入し、画像と音のライブ配信を開始。設置地点も北海道から京都まで全国7地点を追加した。各地点の映像音声データはwww.cyberforest.jpおよびwww.cf4ee.jpにて随時公開している。Google Art & Cultureの「インターネットの先にある本物の自然」(2022)などのWebコンテンツ、2012年から毎年開催している「サイバーフォレストシンポジウム」などの活動から波及して生まれたプロジェクトには、サイバーフォレストのライブ音を使った「森林性鳥類のモニタリング」や定額音楽配信サービスによる自然音アーカイブの音源配信等がある。蓄積されたデータは現在、環境学習のための教材として幅広く活用されており、JVCケンウッドによる自然音のLive配信「Forest Notes」にも協力するなど、その活動はさまざまな広がりを見せている。
・受賞者コメント:この度は、たいへん名誉ある賞をいただき、驚きとともに心より感謝申し上げる次第です。サウンドスケープは従来、実空間を対象として理論と実践を積み重ねてこられたと存じますが、今回その対象をサイバースペースにまで拡げていただいたと感じています。昨今、人間社会から自然環境がより遠ざかる一方で、フィジカルとサイバーの境界はより曖昧となっています。この先にある近未来に向けて、自然環境と繋がる次世代のインタフェースを提案できるよう、今後も森の音を届け続けていきたいと思います。(中村和彦/東京大学サイバーフォレスト代表)

   
Cyberforestを紹介するリーフレット   ライブ配信機材設置の様子    


○日本サウンドスケープ協会 功労賞
 長年の取り組みに対する顕彰

・受賞者:鷲野宏


・授賞対象業績:本協会の運営に対する長期間の貢献
・授賞理由:鷲野宏氏は、本協会の20周年記念事業のアートディレクターとして力を尽くし、その後協会が体制を変革する時期に理事・事務局長として協会運営をになわれた。その間に起こった諸問題に対処するとき、代表理事ならびに理事長を支えるとともに、デザイナーとしての職業的手腕を協会運営において発揮された。氏の功績は多大なもので、将来にわたって記憶されるべきである。
・受賞者プロフィール:アートディレクター/デザイナー。芝浦工業大学で建築意匠や都市環境デザインを学んだ後、代議士秘書を経て、デザイン事務所を設立。グラフィックデザインやアートプロジェクトを中心に活動。音や音楽を刺激として建築や都市の「その場らしさ」を共有していく「都市楽師プロジェクト」を主宰。代表的実践に、移動する船上から音をきっかけとして、「時代ごとに変遷する価値観の積層としての都市のかたち」をリアルな現実の中で体感する「名橋たちの音を聴く」がある。
・受賞者コメント:2013年に千葉県立中央博物館で行われた「協会20周年展」のデザインワークをお引き受けしたことをきっかけに、期せずして、その後の協会の運営面へ参加。協会内外のコミュニケーションの円滑化のための広報などへのグラフィックデザインの提供と共に協会運営の効率化を推し進める役回りとなりました。20周年からの10年間は、運営組織の更新や任意団体から一般社団法人への移行など、協会の変革期でしたが、そういった事情を差し引いても、その間の自身の協会での行動は、粗く杜撰(ずさん)なもので、功労に値する内容であったかとなると恐縮しかありません。ただ、個人としては、サウンドスケープという思考文化を社会化するための試行錯誤を、協会運営という方法でも能動的に実践する機会を得られたことは、貴重な体験でありました。環境との密な関係性を指向した日本における聴覚文化の凋落と再生の現況を鑑みるに、サウンドスケープをめぐる多様な対話のプラットフォームの存在は、協会設立前後とは違ったフェーズでますますその重要性を増してくることでしょう。対話がうまくいきますように。


○日本サウンドスケープ協会 奨励賞
 近年の研究や実践活動に対する顕彰

・受賞者:髙橋憲人


・授賞対象業績:『環境が芸術になるとき:肌理の芸術論』
・授賞理由:授賞対象業績は、肌理(きめ)/テクスティリティをキーワードとして環境と芸術の関わりを問い直す意欲的な論集である。サウンドスケープ論に1章を充てているほか、幅広い話題を横断的に取り扱い、理論・実践の両面から重要な議論を展開している。本書がすでにサウンドスケープ研究の深化をもたらす業績であると評価した上で、今後のさらなる展開を期待して奨励賞を授賞するものである。
・受賞者プロフィール:弘前大学大学院地域社会研究科後期博士課程修了(博士(学術))。芸術教育学、生態芸術論を専門とする。弘前大学人文社会科学部研究機関研究員、同大学院地域社会研究科客員研究員を経て、現在、弘前大学教育学部附属次世代ウェルビーイング研究センター助教。津軽漆連代表。著書に『環境が芸術になるとき―肌理の芸術論』(単著,2022,春秋社)、『Drawing Tube vol.01 Archive』(共著,2017,Drawing Tube)、『大学的青森ガイド―こだわりの歩き方』(分担執筆,2019,昭和堂)がある。
・受賞者コメント:今まで生きてきて、他人から貶されることはあっても、賞をもらうなんていうことはなかったので、戸惑っています。賞をいただいたことというよりかは、賞をもらったときにどんな反応をしたら良いのか分からないことに戸惑っています。ずっと空白だった履歴書の賞罰欄に、32歳になってようやく書くことができたという実感だけが明確です。19歳で、弘前大学の今田匡彦研究室の門を叩いたときに、私とサウンドスケープという概念との繋がりが生まれたわけですが、そこからの私の学問的探究が「サウンドスケープ研究の深化をもたらす」(受賞理由を信じれば)ものとなっているのなら、とても嬉しく存じます。



第3回日本サウンドスケープ協会賞
授賞式および記念行事

日時:2023年9月30日(土)14:00より (13:30開場)

会場: 東京大学柏キャンパス環境棟「FSホール」

     交通:柏の葉キャンパス駅西口(つくばエクスプレス線)・柏駅西口(JR常磐線、東京メトロ千代田線)・
     江戸川台駅東口(東武野田線)よりバス。
     詳しくは、http://ds.adm.u-tokyo.ac.jp/material/pdf/20150519164546.pdf

開催方法:対面とオンライン
(zoomを利用。オンラインの定員は80名)

要申込
お申し込み方法:下記ボタンをクリックしてお申し込みフォームへお進みください。


プログラム

(全体司会|箕浦一哉理事長)

14:00 表彰式と受賞者スピーチ
     奨励賞 髙橋憲人さん
     功労賞 鷲野宏さん
     協会賞 東京大学サイバーフォレスト

15:00 シンポジウム:テーマ「サイバー空間とサウンドスケープ」
     ファシリテーター:斎藤馨(東京農業大学)
     基調講演1. サイバーフォレストの歴史と今 中村和彦(東京大学)
     基調講演2. インターネット空間とサウンドスケープ 川崎義博(京都市立芸術大学 芸術資源研究センター)
     ディスカッション:藤原章雄(東京大学), 柳沼広紀(Forest Notes/JVCケンウッド) , 我妻稔啓(プチカフェレコーズ)他

17:00 閉会


シンポジウム登壇者のプロフィール

斎藤馨(さいとうかおる)
東京農業大学造園科学科教授。前東京大学サイバーフォレスト代表(2021年3月まで)。サイバーフォレストは1997年藤原章雄による命名。2015年サイバーフォレストのライブ音配信が国際的なインターネット上のオープンマイクのプラットフォームSoundMap参加し、UTokyo Cyberfoestと名乗り海外連携活動を開始してから渉外担当明記のため「代表」を務めた。現在は中村和彦が代表を務めている。

中村和彦
東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻講師。2004年10月、東京大学教養学部在籍時に全学ゼミ「森林のデジタル化とフィールドワーク」にてサイバーフォレストと出会い、以降一貫してサイバーフォレスト研究に参画してきた。2021年4月より東京大学サイバーフォレスト代表。自然環境と人間社会の間にある時空間的な隔たりを、感性的認識と情報通信技術によって克服する方法論を実践的に探究している。

川崎義博
90年衛星放送St.GIGA開局から、世界各地をフィールドレコーディング。番組制作多数。CD「バリ島」など15作品。93年Bill Fontanaの「KYOTO-Koln 音の架け橋」を手がけ、’97年世界で初めてリアルタイムで世界の音が聞こえるWEBサイト「SoundExplorer」を制作。その後「SoundBum」「Aqua scape」「Forest Note」など手がける。日本科学未来館、金沢21世紀美術館で世界の音のインスタレーションや、日本科学未来館のプラネタリウム番組も制作。

藤原章雄
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林助教。大学院在学中よりサイバーフォレストの研究活動を開始。その後秩父演習林,富士癒しの森研究所に身を置きながら森林フィールド研究者として20年以上にわたりサイバーフォレストの現地データ取得と配信システムの開発と運用を主に担当した。現在は東京大学演習林フィールドデータ研究センターに所属し多様な森林フィールドデータのオープン化に取り組む研究に従事している。

柳沼広紀
株式会社JVCケンウッド・デザイン ビジネスデザインオフィス所属 2010年から森の音のライブ配信サービス「Forest Notes」の構想を開始、川崎義博氏への相談からサイバーフォレスト研究チームの存在を知り、以後諸塚村の森からのライブ配信の共同研究、シンポジウムへの参加など交流を重ねる。現在はライブ配信各地域との連携活動を通し、地域からの情報発信、活性化につながるアイディアを模索中。

プチカフェレコーズ
BGM系音楽や自然環境音の配信が活動中心の音楽レーベル。2015年音楽ベンチャー企業の一事業として創業し、その後法人化し二名体制で運営。サウンドデザイナーの岡田晴夫氏の提案がきっかけとなり、サイバーフォレストアーカイブ音源の商用プラットフォームでの配信に携わる。 我妻稔啓:法人代表、コロナ禍で中断していた自然音収録の再開を企図中。 村田拓也:プロデューサー、プロデュース以外にも自身での楽曲制作にも着手開始。



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*会場URLのご案内予定日:オンラインでご参加の方には、開催日が近づきましたらZOOM会議室のURLとパスワードをお送りします。





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日本サウンドスケープ協会シンポジウム: 1993年の協会設立以来、テーマを設定して公開の場で広く議論するシンポジウムを年1回開催してきました。近年も「音風景は文化遺産になりうるか」「今、京都から再び」「いわてのサウンドスケープ」「東京水系のサウンドスケープ:都市と社会のリ・デザイン」「劇空間の音風景 声による演出から見る古今東西の世界観」など多様なテーマ設定でサウンドスケープをめぐる議論がなされています。近年のシンポジウム情報は「活動の一覧|シンポジウム」に掲載しています。

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